東京都知事記者会見(5月15日)、「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ」の骨子が発表されました。

東京都は、まだ感染拡大の危機の最中にある、緊急事態宣言が解除された後も、以前のような生活がすぐに回復できるわけではない、という認識を基本としています。

中小企業や自営業者の関心は、休業要請は今後どのように緩和されるのか、です。

新型コロナウイルス感染症の拡大、抑制は、集団としての人間の行動が大きく影響しています。そのため、日付を具体的に決めることができません。

都が発表したロードマップは、
(1)緩和措置を段階的に進める
(2)各ステップの状況を定義する
(3)モニタリング指標をもとに次のステップに進むかを検討

このロードマップを参照しながら、次を検討すると良いでしょう。
(1)自分の事業は、どのステップで再開できそうか?
ステップ3に注意です。“クラスター歴がある”と、高リスクの施設でなくてもステップ3に分類されるので、休業要請の措置緩和のタイミングが遅くなります。お客様を感染させないような、店舗運営が必要です。

(2)再開する場合の手順
以前と同様に営業すれば良いわけではありません。当面の間は、感染再拡大の防止に配慮する必要があります。お客様を集め過ぎて密の状態を作らないようにする、いらしたお客様に消毒用アルコールを供するなどの衛生対策、接客にあたる店員にはマスクやフェイスガードの着用を徹底する、感染症対策に配慮して営業再開したことを近隣住民に通知するなどの配慮が必要です。ご自分の事業の特徴から、必要な対策を書き出して、準備、再開できるよう、計画表を作成すると良いです。

業務運用でも見直しが必要です。生徒さんを集める学習塾系の店舗では、生徒どうしの適度な間隔を確保した場合、1回の授業で入場できる生徒数が減る可能性があります。その対応として、授業のコマ数を増やすのか、一部の生徒はオンライン授業を継続するのかなどの検討が必要です。確保できるリソースの制限を正確に把握し、効率的に割り当てる必要があります。

場合によっては、どんなに工夫しても再開できないサービスメニューが見つかるかもしれません。気付かずにうっかり事業を再開して、取り返しのつかない失敗をしなくて済んだ、と前向きに考え、売上の落ち込みを防ぐための、代わりのサービスメニューを検討しましょう。

(3)再び、外出自粛要請された場合の対策
ロードマップの説明では、状況変化に応じて外出自粛の再要請の可能性も言及されています。そのような場合にも柔軟に対応できるよう、事業の一時的な縮小、休止の手順をまとめておきましょう。

検討の際、厚生労働省「新しい生活様式」が参考になります。

参考:小池知事「知事の部屋」/記者会見(令和2年5月15日)