いつか、無重力の惑星で人間が住む日が来るのでしょうか?その時、地球はどうなっているのでしょう?“住む”と言っても、いろいろなレベルがあるでしょう。調査研究目的で、あるいは観光で、一定期間だけ滞在する場合もあれば、24時間365日、普通に生活します、みたいな場合とか。あるいは、人類の一部だけが滞在するのか、半分とか、全部が移住するとか。
居住環境をサポートする建設業としても無関心ではいられない領域です。つい先日(令和7年9月12日)も、“RISE(月表面の地盤調査)ミッションと連携します”というニュースリリースが国土交通省から出ていました。月面調査研究を支える研究棟、月面拠点建設は、今後10年とか、そのくらいのスパンで実現しそうです。しかし大多数の人々が、その用事で月面に行くことは無いでしょう。
多数の人々が観光で行くとか、そのまま住むとか、そのレベルはいつ頃実現するか、というと300~400年くらい?人間が移動できそうな地球の近場の惑星は、だいたい重力が小さいので、大気が無い、放射線浴びまくりという、厳しい環境です。まず、生存可能な環境を作らなければいけません。では、そういう惑星には、本当に先住民は居ないのか?微生物だったとしても、人類が勝手に絶滅させて良いのか、という倫理的な問題があります。それから、近場の惑星に水や大気が無いことについて、かつては、あったらしいのですが、諸事情で失われてしまったらしいです。惑星の、ありのままの姿を観察、分析する中でわかってきたことですが、そこから地球の温暖化現象なども明らかになりました。そのようなことを考えると、人類は、他の惑星を勝手に造り変えて移り住むべきではなく、生まれついた地球で仲良く暮らすべきなのかもしれません。
地球温暖化は世界史上最大の詐欺だと言う人がいらっしゃるようですが、今年の夏の暑さについて、何もご存じ無いですか?もっと早く、日本に来て、気温40度の炎天下で会談していただきたかった、もちろん、Tシャツ、短パン姿で結構です。日本では、運動会の時期をズラすだけでは不十分で、体育館で、冷房完備で実施する学校も出現しました。近い将来、人類は地球上で屋外活動できなくなるかもしれません。いつか、無重力の惑星に住む技術の開発は、意外に日本の温暖化対策で役立ちまくりなのでは?期待と危惧といらだちと、複雑な思いです。
『現代思想(2025年6月号)』(青土社)
特集 テラフォーミング 惑星改造の技術と思想
2025年9月25日