■外国人の採用で注意すること
長引くCovid-19感染症の影響で仕事先を失い、就職活動している外国人や、そのような外国人を集めて就職を斡旋する業者が増えています。そのような外国人の中には、必要な在留資格の手続きをしておらず、自分が不法就労者にあたることを自覚していない人も紛れています。知らずに雇用すると、雇用した事業者だけでなく、その外国人にも不利益な結果になることがあります。在留カードの確認、就労資格の有無の確認はもちろんですが、外国人をアルバイト、正社員として採用することを検討する際は、必ず専門家に相談して、適切な対策を取りましょう。
■経理処理の点検
同じくCovid-19感染症の影響で、給付金、支援金の申請受付が続いています。書類不備で苦労されている方もいらっしゃるでしょう。
経理関係の書類の不備が目立ちます。
(1)売上台帳が不正確。
(2)入出金が、その都度、記帳されていない。現金授受が多い事業者様もいらっしゃいますが、可能な限り、銀行振込にしましょう。
(3)複数の経理書類の間での不整合。従来は税務申告で必要なので、なんとなく作成、保管していたかもしれません。給付金、支援金の審査では、事業者の活動状況を裏付ける資料として、税務・経理関係書類を重視しています。事業実績を“見せる”、“証明する”書類として整備しておくことが大切です。
2021年7月14日

2021年に予定されている法令等の改正です。(2021年7月4日現在)

昨年に引き続き、COVID-19感染症の予防と対策に勤めましょう。これも事業者及び国民の努力義務です(新型インフルエンザ等対策特別措置法第4条)。

# 改正法令等 内容 施行時期
1 育児・介護休業法 子の看護休暇・介護休暇が時間単位で取得可能
育児・介護休業法について
2021年1月1日
2 バーゼル条約 汚れた廃プラ輸出は相手国の同意が必要
環境省
2021年1月1日
3 日英経済連携協定(EPA)発効 日英間の新しい貿易・投資の枠組み
外務省
2021年1月1日
4 中華人民共和国民法典 7編、1260条。総則、物権編、契約編、人格権編、婚姻家庭編、相続編、権利侵害責任編及び附則から構成。 2021年1月1日
5 会社法 濫用的な株主提案件行使の制限
役員報酬等の規定の見直し
会社補償・D&O保険に関する規定の整備
社会取締役への業務執行の委託
上場会社等への社外取締役設置の義務付け
社債管理補助者制度の創設
株式交付制度の創設
法務省
2021年3月1日
6 障害者雇用促進法 障害者雇用率制度
障害者の法定雇用率の引き上げ、民間企業は2.3%
2021年3月1日
マンション管理適正化推進法 資料1資料2 2021年3月1日
7 コーポレートガバナンス・コード 取締役会の社外人材の登用、管理職の多様化促進
日本取引所グループ
2021年春
8 デジタルプラットフォーム取引透明化法 特定の大手ITが取引拒絶の判断基準や検索順位を決める事項などを変更する際は、取引企業に事前の通知を義務付け。
適切な取引環境を確保するために自主的な体制整備、毎年度運営状況の報告を要請。
2021年春
9 建設業法 技師補制度の創設、1級受験資格の見直し
国土交通省
2021年4月1日
10 高年齢者雇用安定法 70歳までの雇用機会確保(努力義務)
厚生労働省
2021年4月1日
11 働き方改革関連法 同一労働同一賃金ルールを中小企業にも適用
厚生労働省
2021年4月1日
12 種苗法 海外流出を防ぐため新品種の種や苗の持出し規制強化 2021年4月1日
13 意匠法 複数の意匠を一括出願可能(建築物、インテリアデザインも対象)。手続き救済規定の拡充。
特許庁
2021年4月1日
14 建築物省エネ法 中規模ビルにも基準適合義務付け。戸建て住宅などの設計者から建築主への説明義務制度創設
国土交通省
2021年4月1日
15 大気汚染防止法 アスベスト(石綿)の飛散防止対策強化
環境省
2021年4月1日
16 食品衛生法、食品表示法 食品などの自主回収情報を行政に届出ることを義務化 2021年4月1日
電気事業法 ①推進機関による広域系統整備計画の策定
②災害復旧に係る費用の一部を交付する相互扶助制度の創設
経済産業省
2021年4月1日
建設業法 解体工事業に関する経過措置終了
国土交通省
2021年6月30日
建設業法 建設業法施行令第5条の9(新設)
国土交通省
2021年9月1日
木材利用促進法 「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」(旧「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」)
農林水産省
2021年10月1日
17 郵便法 普通郵便の土曜配達を休止(10月2日から)
郵便局
2021年10月2日
18 資金決済法 銀行以外の資金移動業者が100万円超の送金が可能 2021年度中
19 金融商品販売法 金融サービス仲介業を新設 2021年度中
実質的支配者リスト制度 企業が実質的支配者の情報を登記所に提出し、その写しの交付を受ける制度の運用開始
法務省
2022年1月31日
20 民法 成年年齢18歳に引き下げ
法務省
2022年4月1日
大気汚染防止法 事前調査結果の都道府県等への報告
環境省
2022年4月1日
育児・介護休業法 ・育児休業を取得しやすい雇用環境整備及び妊娠・出産の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の義務付け
・有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和
厚生労働省
2022年4月1日
労働基準法 中小企業について月60時間を超える残業(時間外労働)の割増賃金率が50%以上に引き上げ(現行:25%以上) 2023年4月1日
建設業許可・経営事項審査、電子申請システム運用開始(予定) 2023年1月1日
育児・介護休業法 育児休業の取得の状況の公表の義務付け(常時雇用する労働者数が1000人超の事業所)
厚生労働省
2023年4月1日
大気汚染防止法 一定の知見を有する者による事前調査の実施
環境省
2023年10月1日
インボイス制度導入開始 2023年10月1日

改正意匠法(2021年4月1日)では、建築物の外観、内装が保護の対象になります。
郵便法 郵送での書類の授受に影響が出る場合があります。許認可手続きを進める際に、注意が必要です。