久しぶりに読み返しました。
前回、読んだのは、新型コロナ禍でした。当時は、経済活動が平時の3~5割に落ち、戻っても7割と言われ、契約関係の見直しも話題になりました。感染症で、社会全体が困っていたことや、新型コロナ融資などもあり、当時、過酷な債権回収はそれほど行われなかったかな、と思います。むしろ、それ以前からジリジリと始まっていたインフレが、最近いよいよ厳しくなり、債権回収を意識した契約内容の見直し機運が高まっているのでは、と思います。

ハイペースで迫るインフレに加えて、経営者の高齢化がいちだんと進み、そのわりに事業承継があまりうまくいっていないのでしょう。その影響で債権回収不能に陥っている話が、ポツリ、ポツリですが、途切れたことがありません。私は、弁護士ではないので、最初から裁判沙汰になりそうな案件は取扱うことはありませんが、それ以外ならご相談を受けることがあります。わりと多いのが、取引相手がご高齢で、身動きがままならないとか、判断能力が低下しているとかのケースです。

今、イランとアメリカの軍事衝突でホルムズ海峡が事実上封鎖され、エネルギー資源の供給ボトルネックから経済循環がグローバルな規模で変調を来すのでは、と懸念されています。この先、どうなるか、わかりませんが、状況が長引くほど、日本はインフレと資材調達リスクの上昇で計画見直しが相次ぎ、事業環境の混乱が続くのでは、と心配しています。契約書の内容も、取引リスク対策に関する条項を見直す必要があるでしょう。

この本は、担保とか保証に関する説明が実務に即していてわかりやすいです。本格的な民法の本を読む前に、担保物権とか保証、強制執行に関する具体的なイメージを把握するのに役立ちます。実際の対応は、法律以外の部分で苦労することが多いです。

権田修一『債権回収基本のき』商事法務(2020年)
2026年5月1日