全国の労働局や労働基準監督署が、平成30年に外国人技能実習生の実習実施者(技能実習生が在籍している事業場)に対して行った監督指導や送検等の状況について、厚生労働省が公表しました。

全国の労働基準監督機関が、実習実施者に対して実施した監督指導7,334件のうち、その70.4%に相当する5,160件が労働基準関係法令違反。

主な違反事項は、多い順に、①労働時間、②使用する機会に対して講ずべき措置などの安全基準、③割増陳儀の支払い。

建設業については、①安全基準、②割増賃金、③賃金台帳。

事例 指導内容 指導の結果
工事現場において、移動式クレーンを用いて約1トンの鉄板をつり上げる際、あらかじめ安全な作業方法や労働者の配置等を定めず、また、必要な資格を有していない技能実習生に玉掛け業務を行わせたところ、つり上げた鉄板が技能実習生の足首に接触し、骨折する災害が発生した。 移動式クレーンを用いて作業を行うときは、あらかじめ、労働者の危険を防止するため、安全な作業方法や労働者の配置等を定めるよう是正勧告した。 移動式クレーンを使用するに当たっては、あらかじめ安全な作業方法等を定めた作業計画を作成することにした。
技能講習を終了していない技能実習生に玉掛け業務を行わせていたため、是正勧告した。 作業計画により、資格の保有状況に応じて労働者を配置することとし、技能講習を終了していない労働者には玉掛け業務を行わせないこととした。

詳細:厚生労働省 外国人技能実習生の実習実施者に対する平成30年の監督指導、送検等の状況を公表します