改正建設業法第17条の2は長文です。7項から構成されていて、譲渡(譲受)、合併、分割について、それぞれ第1項、第2項、第3項として規定しています。

各項も長文ですが、相続と同様に考えると、理解が容易になります。

まず、この条文に登場する言葉を整理します。

譲渡人 許可に係る建設業の全部の譲渡を行う建設業者。
譲受人 建設業の全部を譲り受ける建設業者。

やはり条文が複雑なので、括弧書きを除去してみます。

建設業者が許可に係る建設業の全部(略)の譲渡を行う場合(略)において、譲渡人及び譲受人が、あらかじめ当該譲渡及び譲受けについて、国土交通省令で定めるところにより次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定めるところにより次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める者の認可を受けたときは、譲受人は、当該譲渡及び譲受けの日に、譲渡人のこの法律の規定による建設業者としての地位を承継する。

譲渡人の建設業者としての地位は、全部、譲渡できる、と規定しています。ただし、条件は次の通りです。

  • 譲渡人の建設業の全部を対象とすること(一部はダメ)
  • 国土交通省令の規定に従って、認可を受けること

さきほど省略した括弧書きの部分は、例外のケースを説明しています。
その例外とは、譲渡人と譲受人が同一の種類の建設業の許可を受けている場合に発生します。

ケースB、ケースCは除外されます。その理由も、相続の場合と同様です。一般建設業許可と特定建設業許可とでは、許可要件が違います。

以上で、譲渡可能な場合が明確になりました。譲渡の場合、国土交通省令に従って、あらかじめ認可を受けておけば、譲渡の日に譲渡人の建設業者としての地位を承継することができます。その認可を受ける相手先は、次の通りです。

  1. 譲渡人が国土交通大臣許可なら、譲受人は、国土交通大臣許可が必要
  2. 譲渡人が都道府県知事許可なら、譲受人は、被相続人と同じ都道府県知事許可が必要。ただし、譲受人が国土交通大臣許可を受けているとき、譲受人が譲渡人と異なる都道府県知事許可を受けているときは、国土交通大臣許可